やむを得ず自己破産をする場合の注意点や手続きについて
負債を圧縮しても収益が上がらず事業継続が不可能な場合には自己破産を選択することになろうかと思います。 法人、個人事業主を問わず、何の手続きも取らないまま放置することは従業員や取引先に対してかえって迷惑が掛かってしまうというのが現実です。そこで、きちんと破産申し立てという法的手続きをとることで、会社の財産を換価して配当を行い、また従業員に対しては、厚労省所管の独立行政法人労働者健康安全機構の未払い賃金立替払制度を利用することで従業員の生活資金を確保することができます。
また、個人事業主の方はもちろん、法人の場合でも代表者が個人保証をされている負債があるでしょうから、代表者ご自身も自己破産申し立てされて免責決定を得ることにより、個人として負っている負債から解放されることができます。新たに再出発するためにも自己破産という手続きをとられることをお勧め致します。
①自己破産申立
②破産開始決定・破産管財人の選任
③管財人による調査(債権の有無、金額、破産者の財産、免責不許可事由等)
④破産廃止
⑤(個人について)免責決定
①自己破産申立
②破産開始決定・破産管財人の選任
③管財人による調査(債権の有無、金額、破産者の財産、免責不許可事由等)
④配当手続き
⑤破産廃止
⑥(個人について)免責決定
Q ギャンブルで借金を作ってしまったのですが、自己破産はできないと聞きましたが本当ですか?
A ギャンブルで借金が膨らんだような場合は、免責不許可事由である「浪費又は賭博その他射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」(破産法252条1項4号)に当たり、裁判所は免責をしないことができます。ただし、これは免責しないことができるのであり、免責してはいけないということではありません。裁判所は、いろいろな事情を考慮して免責することができ(破産法252条2項)、これを裁量免責といいます。例えば、ギャンブルで借金が膨らんでも、その後反省してギャンブルを止めて真面目に働いているような場合には裁量免責が認められる場合が多いと感じます。
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※なお、どうしても弁護士費用が厳しいといわれる方は、減額や分割させて頂くこともあります。
この記事を書いた人
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弁護士 島 晃一
(島総合法律事務所)
1998年に弁護士登録以来、まじめに頑張っている事業者の方や個人の方の負債の問題解決に尽力しています。1966年生まれ。